事業名 困難を抱える子どもたちへのオンライン学習支援
はじめに・事業概要
はじめに
『NPO法人 銀のかささぎ』は、2012年にボランティア団体として東京児童相談センターの一時保護所でiPadを使った学習支援をはじめました。一年後にNPO法人となり、東京、長野で虐待を受けて保護された子どもたちが多くいる一時保護所や児童養護施設、子どもの居場所でICTによる学習支援を行ない、学習したいけれど学習する環境が無い子どもへの支援をし、学力格差のない社会を目指して活動を続けています。
事業概要
2020年度現在、『NPO法人 銀のかささぎ』の学習支援は、児童養護施設3か所、子ども食堂3か所、昨年度は年間のべ1500人の子どもたちが学習しています。
社会課題
『NPO法人 銀のかささぎ』は、虐待を受けた子どもが多くいる児童相談所や児童養護施設での学習支援からスタートし、学力向上の成果を上げてきたが、活動を通じて次の課題がありました。入所している子どもの多くは児童虐待が原因であるが、その背景に貧困がある。このことから、保護される前の段階に必ず貧困があり、貧困家庭の子どもたちへの学習支援活動も必要であると痛感していました。学習困難に陥ると不登校を招きやすくひいては引きこもりになってしまうため、経験値が欠如し、学習する意欲が失われがちであるといえます。
『NPO法人 銀のかささぎ』の取り組み
学習困難を抱えた子ども(不登校、経済的困窮、引きこもりなど)が、オンライン、オフラインのITの居場所で楽しく学習をすすめることができる事業を新型コロナウイルス感染拡大への対応に伴う緊急支援事業として2020年度行っています。
活動実績
(感染症の影響)『NPO法人 銀のかささぎ』は児童養護施設や子ども食堂でタブレットを使った学習支援を行っているが、昨今のコロナの影響により、大勢で集まって学習する学習支援が感染の防止のため3月から中止になった。3か月経った今、子どもたちの学力低下が心配で、アンケートを取ると子どもたちと保護者の声から、勉強できる環境・機会がないこと、生活リズムが乱れている現状が明らかになった。施設や子ども食堂の子どもたちの家庭はタブレットやパソコンがなく、オンライン学習を行うには不十分な環境であり、子どもの学習機会が喪失されていると感じ、家庭の学習環境の差によって、教育格差がより一層拡大していくと危惧される。
(当事業の必要性)
近隣の小学校では休校の間、オンライン学習を始めているが、家にパソコンやタブレットのない子どもは学習ができない。支援している子ども食堂でアンケートの結果、スマホは家庭にあるが、パソコンやタブレットが家庭にない子どもたちは50%以上もいた。また、児童養護施設には使用できるタブレットやパソコンがない。そこで、子ども食堂や児童養護施設の子どもたちへ学習支援のためにタブレットを貸し出し、その子に合った学習プログラムをコーディネーターがWEBシステム(ZOOM)でアドバイスし、子どもたちに寄り添った学習を進めていくことで、子どもたちの学習を支援したいと考えている。
(活動実績)
7月 ボランティア募集
8月 ボランティア研修
オフライン学習支援開始 三本柳にっこりひろば、ちくま未来教室
三本柳にっこりひろばの様子
松代福祉寮の様子
9月 オンライン学習支援テスト
11月 ちくま未来教室の様子
12月
2月
松代福祉寮の様子
3月 東京ボランティアとオンライン交流会
事業の成果・課題・まとめ
.子ども食堂の子どもたちへのオンライン学習の実施(学習支援、相談・傾聴、オンライン講座など)
(1)時期:2020年8月〜2021年3月まで(8か月)
(2)場所:長野市2拠点、千曲市1拠点及びオンライン上
(3)対象者層・人数:小学3年生~中学3年生 30名
(4)内容:
長野市三本柳にっこりひろば、長野市松代福祉寮、ちくま未来教室で、希望家庭の子どもたちへタブレットの貸し出しをしてオンライン学習を行う。対象年齢は小学3年生~中学3年生までとする。貸し出す際は使用方法や学習の進め方の説明会を2時間設ける。新型コロナウイルスの感染のリスクをなくすため換気をよくし、マスク着用、体温の測定、手洗い、消毒を行ってから説明会を実施した。
ICTコーディネーターはオンラインで学習のプログラムをつくり、子どもに提供し、タブレットを 貸し出した家庭と週2回進捗状況の確認、子どもからの質問等をうける。オンラインは手持ちのスマホでChat及びzoomを使用する。もし、家庭で持っていない場合はsimつきのタブレットを貸与した。
月に2回は、子ども食堂での対面学習(オフライン学習)を行い、子どもの不安を取り除くようなアドバイスをしながら学習支援をした。
・課題
子どもたちはコロナにより、自宅で勉強することを余儀なくされ、オンラインの学習であれば、孤立することなく学習に取り組むことができ、一定の成果はあった。オンラインで使うタブレットであるが、できれはタブレットより安定性のあるパソコンのほうが、向いていることもわかった。これからは、タブレット並みの値段で購入できる、chromebookでの学習も取り入れていきたい。
子どもの声
・オンラインは初め緊張したが、学生のみなさんと話をするのが楽しみになった。
・普段、使うことができないタブレット端末を使うことができて楽しい。
・まだ学校で学習していないところでも、自分がやりたいと思ったところを選んで学習できるところがいい。
施設の方の声
初めてのオンラインでの学習支援は初めは緊張していたが、順次打ち解け、勉強の進み具合や家庭での出来事など話ができた。タブレットを使った学習は一問一答形式でゲーム感覚で取り組むことができたり、その場ですぐ正誤結果が判ったり、学習履歴が残っていて比較ができたり、子どもたちには親しみやすく取り組みやすいのだと思います。
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