第1回「社会的養護下の子ども応援基金」助成先になりました。

この度、私たちの団体は公益財団法人日本フィランソロピック財団の第1回「社会的養護下の子ども応援基金」の助成先に選ばれました。この基金は、社会的養護下にある子どもたちに多様な体験機会を提供し、自立心や好奇心を育むことを目的としています。

私たちの事業名は「北海道の観光案内をプログラミングしよう!」です。

この事業は、社会的養護下にある子どもたちを対象に、プログラミング教育を通じて北海道の観光案内アプリを作成することを目指しています。子どもたちは、プログラミングの基礎を学びながら、北海道の文化や観光地についても深く知ることができます。これにより、技術的なスキルだけでなく、地域理解やコミュニケーション能力の向上も期待されます。

事業の主な内容は以下のとおりです。

  1. プログラミング基礎講座の実施:子どもたちにプログラミングの基本を学んでもらうための講座を開催します。初心者でも理解しやすい内容で、楽しみながら学べる工夫を取り入れます。
  2. 北海道の観光地リサーチ:子どもたち自身が北海道の観光地や文化について調査し、アプリのコンテンツとして取り入れます。これにより、地域理解を深めるとともに、自ら情報を収集・整理する力を養います。
  3. 観光案内アプリの開発:学んだプログラミングスキルと収集した情報をもとに、観光案内アプリを作成します。チームでの作業を通じて、協力することの大切さや達成感を味わってもらいます。
  4. 発表会の開催:完成したアプリを地域の方々や関係者に披露する発表会を行います。子どもたちの努力の成果を共有し、地域とのつながりを深めます。

私たちは、この助成を受けることで、これまで以上に質の高いプログラムを提供できることを大変嬉しく思っています。子どもたちが新しい技術や知識を身につけ、未来への可能性を広げる手助けができるよう、スタッフ一同全力で取り組んでまいります。

最後に、今回の助成を決定してくださった日本フィランソロピック財団の皆様、そして日頃より私たちの活動を支えてくださる全ての方々に心より感謝申し上げます。これからも子どもたちの健やかな成長を支援するため、努力を続けてまいります。


代表の言葉  

「ICTは学力向上に役立つ」、それは私たちの10年来ICT活用支援に取り組んできた実感です。
12年前に、偶然虐待を受けた子どもたちが保護されている一時保護所へ行きました。そこは、保護されているため学校へ通うことは出来ず十分な学習環境がありませんでした。iPadを使った学習支援をすること提案し学習ボランティアを募ったところ、東大生を中心とした学生が集まり毎週一度の学習支援が始まりました。

施設の子どもたちは、それまでの家庭環境から習熟度は様々でしたが、一人一人に合わせた指導がICTでは可能であり、多くの子どもたちが学習支援日を待っていてくれるようになりました。私たちは彼らとの経験を全国の不遇な子どもたちへも伝えていきたいと思い、NPOとして活動を始めました。

現在は、長野と東京の児童養護施設、子ども食堂を中心に活動しています。この取り組みを広げる活動として、講演会の開催やイベントの参加、ホームページの発信を行ってきました。そのおかげで、全国のライオンズを取りまとめる日本ライオンズとつながることが出来て、各地の児童養護施設への学習支援の助成を受けています。

また、北海道や仙台、関西、九州の児童養護施設やその施設を支援している団体と年2回学習支援の推進会議をする機会を得ることが出来ました。今回申請する事業に取り組むことは、今まで小学生のICT学習を行ってきた当団体が、体験の格差是正に取り組むという新しいステップに挑戦し、試行錯誤しながらも成功させることは大変意義のあることだと考えています。

学力格差の根底にある体験の格差を是正することで、子どもたちの伸びしろがあることを証明し、子ども虐待防止学会や日本ライオンズアジア大会で事例を全国に発表し、支援者を募り、この活動を学習支援の活動ともども続けていきたいと考えています。